映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

根岸吉太郎監督「遠雷」558本目

永島敏之って年齢不詳だなぁ。32年前に精悍な若者だったのが今は還暦のはずだけど、印象は全然変わりません。
まともな、人のいい若者で、好感がもてます。
ジョニー大倉はとても良いです。小さい頃この人好きだった…。
石田えりのおっとりとして物おじしない感じは、とっても瑞々しいです。きれいだけど手が届きそうな女。カラっとした明るさがいい感じ。結婚式のドレスが、小さい女の子が着るドレスみたいで可愛い。
男好きなスナックの女を演じた横山リエも、ちょっとくすんだ色気がよいです。
ケーシー高峰の女が藤田弓子ってのも時代を感じさせるなぁ。
祖母を演じた原泉は…、怖さが懐かしい。こんな女優さんでしたよね。

4分の3くらい来たところで、トマトに虫がつき、友人ジョニー大倉が人妻横山リエと失踪、父親ケーシー高峰は突然警察にしょっぴかれ、婚約者石田エリが妊娠、ビニールハウスの土地を不動産屋が買いにくる…というできごとがわずか8分くらいの間に起こります。

兄を演じた森本レオはインチキ手品師みたいで、まじめな表情と裏腹に実はワルだった的な面白さがあります。

人生いろいろあるけど、こんな風に夫婦になって、それなりに元気に暮らすってのもいいなと思う。