映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フランシス・コッポラ監督「レインメーカー」565本目

マット・デイモンって、映画に対する前のめりのやる気が感じられますね。
悪者といいやつがハッキリしていて、テレビドラマみたいに楽に見られるけど、駆け引きが面白いし、「世の中って汚い」みたいな安易な社会批判でなく、しっかりと細部が描かれているので、納得できます。

顔の形が似てるからか、小栗旬が主役のドラマみたいな雰囲気(ケリーを演じてるクレア・デインズ長澤まさみに似てるし)だけど、端的にいうとあっちはつまらなくてこっちは面白い。

ケリーの暴力夫への“正当防衛”のくだりは、マット・デイモンの正義をくもらせるもので、もしかしたらこの映画は「弁護士批判」がテーマだったんだろうかと思わせる部分もあります。
弁護士は善悪背中合わせで、暴力夫は絶対悪だから正当防衛でもなんでも殺していい?
あのような夫に関しては、正直なところそれに共感できるのですが、法廷映画なのに裁判軽視みたいでちょっとなんともいえない感じもします。