映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

市川崑監督「犬神家の一族」578本目

黒い縁取りの文庫本が、教室の後ろの「学級文庫」の棚に並んでたのを覚えてます。
読むと怖くてトイレに行けなかった!

この映画はちょこちょこ、細かいところを覚えてるなー。高峰三枝子が立派で怖かった。
島田陽子23歳が可憐すぎる。石坂浩二37歳はみずみずしい若者だなー。地井武男もまだぴちぴち!
坂口良子21歳は今見ても可愛い。
草笛光子43歳も高峰三枝子58歳も、まだまだ色っぽい。

音楽がアニメのルパン三世みたいで、フュージョン黎明期みたいなかんじでオシャレ。
とにかく画面が暗かった気がするけど、過去の記憶ほどは暗くない。
血のりは、薄めてないポスターカラーっぽく粘度高すぎ、彩度も高すぎてキレイな赤です。
死人の肌色は青すぎるけど、お化け屋敷っぽくていいです。

おどろおどろしくて怖い、情念のジャパニーズホラー。だけど、その後ずっと日本の映画やテレビドラマで、「殺人者と死体遺棄者が違う」のを何度も見てるからか、それほどストーリーに感じるものはなかったな。

しかしなんでサイドカットなんだろう?過去にテレビで流したときの映像をそのまま使ったのかな。