映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

チャン・イーモウ監督「初恋のきた道」601本目

素朴で不器用なのがいいですね。
チャン・ツィイーは日焼けした田舎の娘。うそのない純情を感じて胸を打たれました。
父を演じた役者さんも、僕を演じた役者さんも、老後の母を演じた役者さんも、まっすぐでいいです。
こんな風に誰かと出会って、一生愛し続けられたらいいなぁ。

中国っていう国が嫌いな人や、偏見とか先入観をもってしまっている人も、こういう映画を見るといいのになぁと思います。どの国の田舎にも、まっすぐいっしょうけんめい生きてる人たちがいる。

淡々として無骨で、説明も最小限なのが本当によかった。
「僕」による語りにも無駄がまったくない。感動させるぞ!っていうあざとさをまったく感じなかった。
自分にも初恋があって、純情な頃があったってことを思い出させてくれる映画でした。