映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リチャード・リンクレイター監督「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(ディスタンス)」613本目

いま一番嫌いな人が、一番好きだと言ってた映画。
私もすごく好きだ、この映画。
二度と来ないだろう国で、二度と乗らないだろう列車のなかで出会った人と、恋に落ちる。
そういうシチュエーションだと、自分を偽らずに話せる。
可愛くてぽわぽわした女の子と、若くてヘラヘラした男の子の、
永遠のような一日。

ローマの休日」みたいでもあるなぁ。

若い頃には、そんな出会いもあったかも?あったっけ?
どうして大人になると、そういうことができなくなるんだろう。
何の制約もないのに。

幸せなのは、今初めてこの映画を見たこと。
ビデオレコーダーに続編がもう入ってる。
そしてそのまた次の作品が、来月日本で上映される。
ラッキー!

この映画、若い人たちの映画なのに、最初から彼らは「生まれる」話をするそばから「死ぬ』話、出会いと別れ、という話ばかりしてる。若いからこそ、そういうオマセなことを言ってしまうのか?それとも、永遠の一日は、一生にも通じるというのか?どんなに愛し合っている二人にも、間違いなく別れは来るわけで。

だから、一生のうちに一日だけ、こんな恋愛ができたらいいな、と思う。
あとは思い出だけで生きられる気がする。うん。