映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

スタンリー・キューブリック監督「スパルタカス」637本目

キューブリック作品ということで見てみた。
壮大で重厚な歴史大作で、じっさい名作だと思うけど、キューブリック意外だなぁ、幅広いなぁ。
wikiとか見てみたら、カーク・ダグラスがプロデューサーと主役をやっていて、キューブリックの思い通りにはならなかったとか。それで、納得のいかない作品になったのだとか。
でも、これだけの規模の映画を経験したことは、きっとキューブリックの血や肉になったはず。
私はこれ以前の作品は「恐怖と欲望」しか見たことないけど、スパルタカスより後の作品にある「凄み」はまだなかった。

カーク・ダグラス、素晴らしかったけどこのとき40代。肉体を酷使する奴隷のリーダーとして、ちょっと無理な設定もいくつかあったなぁ。

内容については、「奴隷制」ってものがそんなに長期間存在していたなんて、なんてことだ。
集団蜂起した人たちのパワーもすごい。実話なんだもんね。
もし自分がかつて奴隷で、自由になったときに、自分より弱くて思い通りになるものを得たら、あるいは、自分をいじめた人と立場が逆転したら、腹いせに相手をいじめたりしないだろうか?…と考えてしまった。
どんなときでも、立ち止まって自分のやってることを振り返れる人間でいなければなぁ。