映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ロベール・ブレッソン 監督「ラルジャン」709本目

演技らしい演技なし、普通の人たちが表情を作ることもなく、淡々と暮らしてる。どこかで誰かがちょっと悪いことを思いついて、誰かがこんな風に巻き込まれて、ひっそりと町から消える。アパートの隣の部屋でそんなことが起こってるんじゃないかと思わせてしまう、徹底した「作らなさ」が印象的です。
殺人シーンや暴力シーンはあえて描かず、そこは映画ってかんじにしてあるので、恐ろしい映画にはなっていません。
全体的に淡白で教訓も指針も希望もない、絶望を描いた映画でもない。こういう映画を作りたい監督ってのがいるんだな。