映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

山下敦弘 監督「もらとりあむタマ子」738本目

この子ほんと浜ちゃんに似てるなぁ。

前田敦子っておもしろいなと思って見てみました。ダラダラなタマ子の演技、味があります。が、彼女に限らず、この映画全体がどうも詰めがあまいかんじがします。あと10%、ダメだったらもっといいのに。お父さんの怒りの爆発、あと少し溜めて抑えて爆発しながら弱気になってる、みたいだといいのに。
テレビの音が流れてる場面が多いんだけど、アナウンスが棒読みでプロに聞こえなかったり。ボブに切った頭があまりにもカツラだったり。細部の詰めが…。

この子でこの映画を撮るセンスはいいと思う。この子も本気で挑んでる。この子は…自分のことを美人だと思ってない感じ。むしろ、アイドルの対極に来られてよかったって思ってるんじゃないか…。映画のなかの自分の表現ってことを考えられる人、だと思う。

監督もしかして、人に強く言えない人なのかなぁ。というか、前田敦子以外の役者さんの演技が硬い。時間の流れもごつごつしてるから、たった78分がやけに長く感じる。