予想してたけど強烈な映画だった。
フリーダカーロみたいな、眉毛がつながったお姫様と、同じく眉毛がつながった英雄アシクケリブ。
それにしても、このグルジアの人たちの美しさといったら。
どういうふうに混血したらこの容貌が生まれるんだろう?
明快なストーリーはあるけど、映画は最初から最後まで、それとは関係なくずっと「まつり」のようです。
蔵の奥にしまいこんであった、結婚式の服や、お葬式の服や、あらゆる一張羅をみんなで持ち寄って、さらに村中の財宝を、想像の祭壇に全て美しく並べた、という感じ。
そのまつりも、今まで想像したこともない遠くの夢の国のようです。実際今はかなりの辺境にも旅行できる世の中になったけど、グルジアというところは、トルコにも中欧にも近いソビエトというエキゾチックな場所で、そこでどういう美的感覚が育っていたかなんて、この監督の映画を見るまでまったくイメージできませんでした。
音楽も、中東の軍楽隊のように終始にぎやかで、耳にストレスを感じるのですが、誰かが見た夢の世界なんだからしょうがない。
世界には、まだまだ知らない、見たことがない「美」があるんだな…。
何もかもが新しく珍しく、目が覚めるような世界でした。