むずかしかった。こういう風にパラレルで進行していく映画って、スリリングで好きなんだけど、この映画は苦労しました。3回見た。
「麻薬取引の目撃者」のストーリー(画面が比較的自然な色合いのやつ)は、誰がずっとストーリーを牽引する人物なのかわからないまましばらく見てました。
判事の娘がいとも簡単にコカインにおぼれていくストーリーは、こわ〜いと思う一方、映画の制作者の立場に一番近いのでは?と思いました。それにしても、おぼれ方があまりにも安易だな。
身重のキャサリン・ゼタ・ジョーンズが、家族を思う愛情の強さゆえに、堂々と悪の道を進んでいくのは、なんだかカッコいいんだけどそれでいいのか?。
「ダメ!ゼッタイ!」といいたんだけど、あまりにも問題が根深くて、壁の前で立ち尽くしてる政府が作った広報みたいな映画だ。メッセージ性がないようで強い。麻薬の買い付け〜取引〜末端ユーザーのプロダクトライフサイクルをカバーしてる。まさに、プロダクトライフサイクル。需要と供給のシステム。どこかを締め付けると別の部分が太る。買う方が悪い、というメッセージも感じられる。
上から改革しようとするより、自分の娘を抱きしめてやれ、というメッセージも。結局のところアメリカの白人が、国内の黒人やメキシコの人たちを悪に追いやっている、とも。
盗聴器を取り付けられたキャサリン・ゼタ・ジョーンズとその夫がその後どうなるか。カッコ良く妻の方が逮捕されることをちょっと期待してしまうけど、そう甘くないかも、という含みも感じられました。