映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ニック・カサヴェテス監督「私の中のあなた」772本目

姉のドナーになるために生み出された妹。彼女にも当然、自分を守る権利がある。「誰が彼女を守ってあげられるんだ?」親が守ってあげないのであれば、裁判にかかることも避けられない。それをイヤらしい法廷ドラマにせず、死というのは避けられないけれど崇高なものだと納得させる描き方をしています。死に行く姉とさいなまれている妹、どちら側につくべきか、見ていてツライので、人道的な結論へ流れ始めたときにほっとします。

でも、母親自身が迷い始めたのだったらどうだろう?
妹自身が、本気で反抗したのだとしたら?

あまりに難しいです。