映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャン・リュック・ゴダール 監督「気狂いピエロ」808本目

この映画は、20代のときにレンタルして見たことがある。
高校の近くに「気狂いピエロ」って喫茶店があって、喫茶店って禁止されてたので入ったことはないんだけど、どうやらそういう名前の映画があるらしいと知って、喫茶店への興味から見てみたのでした。
そのときもわからなかったけど、数十年後にまた見てもやっぱりあんまりわかりませんでした。
ジャンポールベルモントは素敵だけど、アンナカリーナの美人っぷりに親近感が持てない、って最高に個人的でつまらない感想ですみません!

こういう映画が好きな人って多分、普段はきちんとしてるんじゃないかと思う。スーツ着てパリッとして、時間を守って毎日日課をこなして。だからこういう、ルールを全部破って壊れてしまう映画にひかれるんじゃないか。

この映画をもう一度見ようと思ったのは、最後の言葉のことを何かで見て、思い出したりしてたから。
今回レンタルしたDVDの場合、こう終わりました。
 「見つけた
  永遠を
  それは海
  そして太陽」
私の記憶では、ふと愛する人と、あるいは一人で見た、心奪われる風景に永遠を感じたという意味だと思ってたけど、このコンテクストで見ると、「不変なもの、それは海と太陽」って意味に思える。

人の一生なんてうたかたなのに、永遠ってものを思ったりするなんて、不思議なもんだね。