映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダラ・バーン 監督「ダブリンの時計職人」818本目

ギンレイホール会員になってから2回目。
ダブリンの失業したおじさんの、とほほな佇まいがいいんだけど、あまりにストーリーがシンプルすぎる。
スカスカっていう意味ではないです。おじさん自身の生きて来た時計の針がゆっくりなので、それに合わせてゆっくり映画を見ることは、それでいいんだけど… 

仕事も家もないおじさんが、車中生活を始める。同じ境遇の若者と友達になる。絶対やらないと言ってたのにその若者がヘロインをやっていたのでおじさんは怒る。その間に若者は売人にボコボコにされて、その後また薬をやって死んでしまう。おじさんは別途知り合って恋をした女性が旅立ってしまって、一人なぜか彼女の家に残されている。以上。

ストーリーが少ないのに、結末なぜおじさんが彼女の家にいるのか、これはハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか、理屈も気持ちももやっとした感じで終わります。
おじさんの人生の時間の進み方や感覚がそうなのだと思えば、無理に派手な起承転結をつけるより、これでいいんですけどね。

ダブリンは労働人口が少なくて困ってると聞いたんだけど、失業率も意外に高いんでしょうか…。