映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

Herbert I. Leeds監督「Mr. Moto in Danger Island」850本目

ミスターモト6作目。
監督はここから違う人みたいですね。

この作品も、辺境のどこかの小島が舞台で、6作目ともなると「どっかで見た」感が強くなってきます。
そして、この作品では変装は無し。(モトがモトの振りをする、という設定はあるけど)
マシンガントークをいっしょうけんめい聞き取らないと筋が追えない!
(この頃の俳優はカツゼツと発声がいいので、早口でもがんばれば理解できる…といっても英語字幕ないとわからないけど)

筋はともかく。改めて、この時代の人たちって、異国の大冒険っていうのに本当に憧れてたんだなーと思う。
古くはジョナサン・スウィフトガリバー旅行記:。その後「ドリトル先生」シリーズ、私の小さい頃は「カロリーヌちゃんの絵本シリーズ」。みんな南の島に行って、不思議な形の甘い果物を食べたり、ワニと戦ったりします。そういう憧れがなくなったのって、誰でも行けるようになったここ30年くらいじゃないか?今の子供は、南国旅行記に胸ときめかせたりしないよね。

日本の昔の映画にも、特段本筋と関係なく腰ミノの色黒の女性が出てきたりしたなぁ。
なんか、もはや宇宙旅行くらいしか憧れる先がない自分たちと比べて、豊かな夢が持てたようでちょっとこの頃の人たちがうらやましくなりました。