映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

スティーヴ・マックィーン 監督「それでも夜は明ける」861本目

そう遠くない過去に起こったショッキングな事実を知ることは大切。
本当に胸が悪くなるような、目を背けたくなるような事実です。
だけど黒人たちにとっては、まだおそらく生々しい事実。忘れたい過去を白人にほじくり返されたような気持ちになる人もいるんじゃないだろうか。

今のアメリカ黒人の生活は、この頃より自由で便利になっているだろうけど、先祖がアメリカ大陸に連れてこられたことで、なぜかいまそこで色々な人たちと共存しなければならない。髪を染めてストレートパーマをあてたりもしたのに、昔のような格好で映画に出ている。

こういう映画を見ると、前向きというより、人間って本当に残酷だなぁとやりきれない気持ちになります。
でもそういうやりきれない気持ちを味わうことでしか、反省はできないと思うので、見てよかったです。