この映画、主役が男性で、というかウディ・アレンだったら、ずーっと喋りつづける中年男の喜劇に見えただろうな。美しきケイト・ブランシェットも、真剣に演技すればするほど、どこかおかしくもある。美しくて、きちんとしすぎていて、笑えない感じがどこかあるけど。
きっと笑っていいんだと思う。
欲望に正直に、脇の甘さをかえりみず、前だけを向いて突き進んできたジャスミンは、おかしくてみじめだけどやっぱり綺麗だ。ベンチに座って話し続ける彼女は、そのままベンチで暮らす人になるのかもしれないけど、きっと朝日が昇れば起きて、それなりに身綺麗にして、これからもいろんな出会いのなかで生きていくんじゃないかな〜と思う。
つまり、こんな人生もアリってこと。彼女は、自分を肯定していると信じます。
どん底といえばどん底だけど、どこかあかるさのある映画だと思いました。