映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

園子温監督「TOKYO TRIBE」876本目

いいじゃないですか、見ますよ園子温だもん。
バカでも下劣でも極悪非道でも。
こういうエネルギー爆裂してる作品を見ると、ああ監督今も元気だなって安心します。
この映画はストーリーはよくわかんないけど、出演者が大変カッコよく、ラップも痛快だし、「AKIRA」とかの流れをくむ若い子達の疾走する映画でした。

キャスティング素晴らしいですね。
鈴木亮平、せっかく「花子とアン」でスーツを着たのにまた裸。染谷将太狂言回しもいい。この映画を見るまで知らなかったけど、”練馬ザファカー”のD.Oって気になってかなりググってしまった。突き抜けた自己キャラ設定にしびれます。YOUNG DAISは普通に監督好みの若手俳優かと思った。ラップの人たちって存在感が野太い。
そして!アクションが切れる女子二人。清野菜名の細っこいカラダは、「恋に落ちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトロウのように、女性でも触れたくなる。そしてちびジャッキー・チェンのように身軽でカワイイ坂口栞琴 と二人で繰り広げる痛快なチャンバラ。この映画はこの二人の女子とラップで決まりましたね。

日本刀で切りまくる画面は、ちょうどつい最近ある集団に同胞が犠牲になったのを目撃してしまった私たちには、すこし目に痛かったけど。

とても良い異種コラボだったのではないかと思いますが、この組み合わせで二作目はないな。一度だけのミスマッチの妙でした。