映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

瀧本智行 監督「犯人に告ぐ」882本目

暗ーい、独特の画面と、現実みたいなキレのよくない時間の流れが、不思議に印象に残りました。
誘拐ものとして、トリックに新鮮味があるわけじゃないんだけど、犯罪にはしる人間の弱さや歪みに一番関心があるんじゃないかと思う、この監督は。警察の内部の人間しかり、被害者の父しかり。昔の凶悪犯罪の犯人の現在があったり。

”人の心の闇”にしか興味がないような暗さとも違う。画面には生命力がある。その微妙な具合に興味があります。この監督の映画はまた見てみたいです。