映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レジス・ヴァルニエ 監督「インドシナ」885本目

1992年の作品なんですね。
設定が昔だし、カトリーヌドヌーヴがきれいすぎて年代を見誤ってしまいました。

ベトナムでカトリーヌドヌーブが暮らしてるのって、最初すごく違和感あります。ベトナムはフランス領だったってことはよく知ってるつもりだったけど、実際にはこういう情景だったんですね。

それにしても美しい、魅惑的な土地です。初めて訪れたフランスの人たちはここに恋をして、どうしてもここを自分のものにしたい!と思ってしまったのかもしれない。現地の人にしてみれば、本当に迷惑なのに、そんなこともわからないような盲目的な、独占欲…なんだろうか。

ベトナムの人たちの澄んだ瞳に、胸が痛みます。戦争で人を傷つけたことのある国の人間として。(傷つけたことのない国ってあんまりなさそうだけど)
カミーユのまっすぐな可愛らしさやタンの賢明さにも打たれてしまって、ベトナムがんばれ!と思いながら、最後まで夢中で見ました。

映画はエリアーヌ(カトリーヌドヌーヴ)の視点で描かれてるので、戦争については遠くから見ている感じ。革命戦士となったカミーユを見てみたかったなぁと思いますが、そうすると全然違う映画になってしまいますね。

北ベトナムにも行ってみたいな、もっとこの国のことを知りたい、と思いました。