映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ワン・ビン 監督「無言歌」892本目

中国の「右派」がおいやられた「改造農場」を描いた映画。これは事実なんだろうか。
当然ながら、中国でこんな映画は作れず、香港とフランス、ベルギーの合作映画です。

「壮絶」とか「生理的に耐えられない」というような感想が多いけど、個人的には「サラの鍵」のほうがきつかった。私はこの映画の状況に陥っても、あんなものやこんなものを食べたりしないだろうけど、食べる人はいるだろうなと思う。「止めときゃいいのに」と思いながら止めないと思う。

やっと帰れる、というところで終わってしまって、帰ってきてからのことは語られない。逃げた彼はやっぱり助からなかったんだろうか?など、収まりきれなかった部分が多くて、消化不良な感じがします。

好きなこと何やってもいい時間が、私にはふんだんにある。あちこちに行けるくらいのお金や健康もある。自由っていったいどれくらいの価値なんだろう。と考え込んでしまうのでした。