映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バリー・レヴィンソン「レインマン」920本目

これもずっと見たかった。
自閉症というのは、心の病気ではなくて、心で意図するように体の器官が働かないことなのか、と思った。
レイモンドは頭がいいだけじゃなくて心も普通だ。
といっても、自分ならこうであろうというのと同じ反応が返ってくることを期待すると、がっかりするのかもしれないけど。

レイモンドは、小さかったチャーリーのことをよく覚えてた。彼は忘れない男だから。
小さくてやんちゃで可愛いチャーリーのことが、好きだったんじゃないかな。
大きくなってもやんちゃなチャーリー。彼に自分との時間を思い出させたのはレイモンドだ。
チャーリーがレイモンドのことを思い出したのが、何より嬉しくなる。

別々に暮らすしかない結末は、悪いことなのか、しょうがないことなのか。
一緒に暮らしたらこんどは「シンプル・シモン」のようになって、チャーリーが一度は切れるだろう。

「親友」は「兄弟」より弱い気がするけど、英語ではmain manなんだって?「親友」も「兄弟」も何人もいておかしくないけど「main man」は多分一人だ。最高の友達に出会えて嬉しいけど、そうはいっても自分にはいつもの生活がある。二週間に一度会えるという生活から、そのうちもっと近くで暮らせるようになるといいな。もっと二人とも年をとったら、一緒に静かに暮らせるといいな。とか、思ってしまうのでした。