映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

北野武 監督「アウトレイジ ビヨンド」934本目

またまた秀逸なタイトル。「アウトレイジパートⅡ」じゃなくて「ビヨンド」ときた。
内容は今回も面白かった。予想ついたけど面白かった。
日本の「ゴッドファーザー・パートⅡ」は、血縁じゃなくて義兄弟、かりそめの親子関係で、強い愛情も強い憎しみもない。もっというと、「アウトレイジ」というほどの激情が感じられる場面は、前作にもこれにもほとんどない。残酷な殺し方はするけど、知らない人への拷問も、裏切り者への拷問も、同じなんだ。愛していたから、という憎しみの倍増が感じられない。どこかすっきりしてる。
ヤクザの家族を使った脅しもないし、家族に対する拷問もない。(大友の妻は前作であっさり殺されている)

そう考えると、タイトルの「アウトレイジ」は前作ともども、大げさすぎるのかも。。