映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フェリックス・ハーングレン 監督「100歳老人の華麗な冒険」943本目

スウェーデンの映画。作られたのは2013年。
原作がすんごいベストセラーなので気になってました。
主人公のアラン老人を演じた俳優さん、ロバート・グスタフソン の実年齢、撮影時まだ40代!すごいメイクと演技力です。100歳にしちゃ元気だから80くらいかなーと最初は思いました。

映画は、ひとことで言うと「スウェーデン版のちょっと悪いフォレスト・ガンプ」(←最近見たばっかりのくせに、えらそうに)
とても愉快な映画だったけど、「なんと実は!」という場面の盛り上がりがいまひとつドカーンと来ないのは、やはりハリウッドではなくスウェーデンだからでしょう。(昔、同僚にスウェーデン人がいて、いい奴だけどまったく無表情で声の抑揚ゼロだった)盛り上がりの場面の演出のしかただけじゃなくて、四コマ漫画みたいに場面場面がかっちりかっちり進んでいって強弱があんまりない感じ。

一番わからなかったのは、なぜ彼が100歳の誕生日にホームを飛び出したか。いや飛び出してもいいんだけど。ことさら「猫がやられたのをきっかけに、ホームに入った」という解説があったから、そこを出るときの気持ちの動きくらいは教えてもらえるのかと期待してしまいました。

老人以外の出演者もキャラが立ってて面白かった。ずーっと大学に行き続けてる超ニートな彼は、ほかの国の映画だったら暗すぎて困るくらい薄かったなぁ。