映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウェイ・ダーション監督「セデック・バレ 第一部 太陽旗」「セデック・バレ 第二部 虹の橋」962〜963本目

何も知らなかった…。本当にこんなことがあったんですね。
まだ語られていなかった人たちが勇敢に戦ったことは、語られるべきだと思う。
日本人として厳しい内容だというだけじゃなくて、セデックの戦士たちは勇壮すぎてかなりコワイです。
それでも、セデック族に共感を感じざるを得ないのは、戦争や権威に対する反発のほかに、小さな差別や不平等をこの国の中で年中感じながら暮らしているからだったりするんだろうか…それも残念だけど…。

セデック族の人たちは、アイヌマオリにも似た刺青とか楽器とかを持っていて、環太平洋のあらゆる土地に親戚がいるように思うけれど、どこでも後から来た人たちに追いやられてる。しかしヨーロッパの人たちも、もともとはどこかの原住民だったんだよね?彼らはひとつの、征服に長けた(決していい意味で言うつもりはないけど)民族だった。そこまでは人間も動物の一種で、同じ種どうしで徹底的に相手を壊滅したりはしなかった。もう後戻りはできない…。

と、物語に完全に入り込んでしまいましたが、視角効果やカメラワークが素晴らしく、勇士たちの美しさは画面いっぱいに満ちていました。