うーん、マニアック。
「ホドロフスキーのDUNE」もとんでもなかったけど、本当に困った人だ、ホドロフスキーは。
でもこの映画は、「エル・トポ」よりも好きかな。
監督の父を演じる、実の息子のブロンティスがとても良いです。
監督の果てしない自意識が、家族という別の人間たちに分担されて、とっつきやすくなってる。
母を演じるパメラ・フローレスには度肝を抜かれました。息子もたいがい何でもやらされるけど、彼女も映画の限界にいどんでるかんじ。でも、映画とは自分のすべてをその間捧げつくすのだ、と思い切っているようですごいです。
ホドロフスキーの出自、”チリの国境近くの町で生まれ育ったユダヤ系ウクライナ人”って、3つの国々に何一つ共感しあえる点がなさそうで、相当きつかっただろうし、相当ユニークな人間が育つだろうなと思う。というか育ちあがってしまった。息子たちもそれぞれユニークだけど、安心して個性を伸ばしてきたように見えて、屈折を感じさせません。
23年の年月が、監督を丸くした(これでも)ような気もして、ちょっとほっとしました。