映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

清水崇 監督「呪怨」992本目

ビデオ版のリメイクではなく、続きなんですね。
映画ブログを始めた頃は、戦争映画もホラー映画も怖い怖い言って全然見なかったけど、平気で「呪怨」見られるくらい慣れてきました!

これって怖い映画の代表のように言われてるけど、最初は画面が思いのほか明るくて、たとえば「犬神家の一族」みたいな、何もなくても怖いみたいな映画とは違うのね。それがだんだん暗くなる…。あえて、ふつーの人のふつーの日常に突然何かが起こる、という狙いなのか。

今まではたいがい日本の映画でも外国の映画でも、追っかけてくるのはむしろ生きてる殺人者のほうで、霊は安全なところまで逃げれば追ってこられなないのが普通だったんだけど、この映画の霊は「こいつに憑くぞ!」と決めたら、どこまででも追っていきます。自宅、自室、布団の中、っていう一番安心できる逃げ場で期待をスパーンと裏切る。

出演者の演技は、わりと力が入ってないなーという印象。日本で作られたものにしては珍しく、完成度よりもアイデア一発勝負ものなんだな〜。テーマとは裏腹に、情念的なところがなくて、ふしぎとカラッとしてます。ネタが相当使い回されてるので、「来たか」と思えるけど、予備知識ゼロで見たら、小心者の私は何回も心臓が止まったかもしれません…。