映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テオ・アンゲロプロス監督「エレニの帰郷」1002本目

ブルーノ・ガンツミシェル・ピコリウィレム・デフォーという3人の名優の演技が素晴らしい。複雑で深いストーリーも良いんだけど、若かりしスピロス(ミシェル・ピコリ)の顔を映さないのは、何かの伏線かと思っちゃったよ。多分、若い役を当人がやるのはさすがに無理だということなんだけど、そういうところが、映画の完成度を考えるときに詰めの甘さと感じられてしまいます。

旅芸人の記録」に続いて、これもストーリーをネットで調べないと筋がどうやっても追えない映画です。そもそも、3部作の2つめなのに1つめはレンタルしてなくて、ストーリー追えないーと思ったけど、続いてるわけじゃないのか?

エレニとスピロスが別々に収監されて別れ別れになってしまった理由が、電車の中で交わったからだなんて…
あと少し、見る側に寄り添って、理解できるか?納得できるか?というところを考えてみてくれたらよかったのに。
(68点)