映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフレッド・ヒッチコック監督「引き裂かれたカーテン」1070本目

1966年作品。
「Torn Curtain」ってタイトルは、TelevisionのMarquee Moonってアルバムのなかの曲にあったんだけど、これが出処ですね。「引き裂かれた」っていうと、ビリビリに破り去られた感じかと思ってたけど、映画の印象は「鉄のカーテンに裂け目が入った」くらいかな?と思います。

ヒッチコック映画にポール・ニューマン!よほど激しいアクションが繰り広げられるのかな?と思ったら、そうでもなかった。野性的なエネルギーを内に秘めたまま終わってしまったかんじ。
ジュリー・アンドリュースって表情がすごくきれいで素敵ですね。
面白かったし、舞台上から客席をガン見するプリマドンナ等々、印象的な映像表現はあちこちにあったけど、ストーリーは「うわぁ!」というほど意外なところがなかったです。
亡命をもくろんだポーランド人のおばちゃん(リラ・ケドローヴァ)が、なんとも印象的でした。