映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

小林政広 監督「バッシング」1101本目

スペインのサンセバスチャン国際映画祭というイベントで、今年は日本の新進気鋭の監督作品が40本近くも上映されるとのこと。
その作品リストがあまりに魅力的なので、レンタルできるものは全部借りてみることにしました。

82分という短い作品だけど、ひとつの事件に巻き込まれてしまった家族のことをしっかり伝えてきます。
すごくリアルで生々しい映像なんだけど、冷静さを保って見ていられるのは、主人公の頑固さが強さでもあるから・・・かな。
彼女が遠い国で巻き込まれた事件そのものなど、残酷な場面は一つも画面に出てこないから、というのもあるだろうけど。
(予算の都合もあるのかな)

世間体という、正義の味方の顔をした、もしかしたら一番残酷かもしれないイジメっ子が、どのようにひとつの家族を追い詰めていくかを描いた作品・・・という意味では、「ふがいない僕は空を見た」「誰も守ってくれない」の仲間です。

主人公役のこの人、個性的だなぁ。その後どういう映画に出てるんだろう?気になります。