映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

諏訪敦彦 監督「H story」1106本目

私、諏訪監督の長編映画みるの初めてだ。

<以下ネタバレ>

下手なドキュメンタリーだったらどうしようと思いながら最後まで見たら、ドキュメンタリーふうのメタメタな構成の映画でした。監督は新しい手法に関心のある頭脳派なんだろう。
しかしここまで元ネタありきの作品を、元ネタより先に見てしまったのは不幸なことでした。

思い返してみると、諏訪監督自身が演じる「監督」が、女優がここまでワガママなのに怒りもしない、女優は居座って文句をいうけど訴えるとか帰るとか言わない、相手の俳優も常にやさしすぎるくらいやさしい、なぜかいつもカメラが写している、といったことで、「おや、これはメタか?」と私でも気づきます。

(フランス語を流暢に話す優男より町田康のほうがいいのか?)

メタメタな構成は、私としてはあんまり楽しめなかったけど、この監督の映画をもっと見てみたいなと思います。