映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ベネット・ミラー監督「フォックスキャッチャー」1135本目

旅行もしてないのに1週間も映画を見ないで過ごしてしまった。
ずっと前から届いてたツタヤのDVD、やっと見ました。
最初から、なんだか暗い、不吉な映画だなぁと思った。
筋骨隆々としたスポーツマンの映画なのに、ひとっつも汗の匂いがしない。強いのに孤独なマークは、満たされない思いが強くて脇がガラ空きだ。そこに金持ちという印象すらない、うさんくさいというよりどこかヤバイ感じのするデュポン氏が現れるんだけど、登場人物が少ないし、アメリカの映画なのに北欧みたいにみんな黙っている。変だよこんなの。…

(以下ネタバレ)
こういう、形にならない違和感や「おかしさ」って神経にさわる。銃を撃ったことは、そのときはショックだけど、突破口になったようで、映画が終わってみるとモヤモヤはすっきりしている。

スポーツなのにまったく明るくも爽やかでもない。アンチクライマックスなのにむしろすっきりする。不思議な映画だったけど、違和感そのものが一番強い印象を与えるのって、ちょっと王道じゃないなぁ?