映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

吉田大八監督「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」1144本目

すごく面白い映画だった。
タイトルから、仁王立ちして激しく号泣するような映画かと思ってたけど、激しくエンターテイメントだった。この監督やっぱりいい。人間をよーく見てぜんぶ受け止めてる。
終わりがチャットモンチーなのもいいな。天才のような稚拙なような。天使のようで泥にまみれたような。
どろどろの愛憎を生き抜くのが女きょうだいなのかも、などと思ってしまった。

ジャケットの佐藤江梨子の、奈良美智の描く女の子みたいな表情もすごくいい。
勘違い女が急に本当に可愛く見えて、しまった!とかちくしょう!と思う、その気持ちが。

この映画を見たあとなら、「紙の月」をもっと本気で期待して見られたかも。
見てみて面白かったからいいんだけどね!