1973年作品。やっと見た。ほとんどホラー映画だなあ。
小さい頃に流行った作品で、これを見て驚愕した大人の中には父と母もいました。
うちは核家族だったから、彼らは「ぼけること」の怖さだけをこの映画で知って、戦々恐々としながら年をとっていって、そしてしっかりぼけた。怖かったろうなぁ。大家族の中で老人を見取れればよかったし、そうでなければ何も知らない方がよかったのかも。
私も、年をとると一部の人は妖怪のようになってしまうんだと思ってた。ホームヘルパーの実習に行くまでは。実際に認知症の人たちに囲まれてみると、みんななんとなくバツが悪そうにしながら、それぞれが、それなりにのんびりと暮らしてる。猫にだって何をするにも理由とか事情があるのに、老人にだって理由や事情がある、個性も好き嫌いもある、という当たり前のことがわかってよかった。
この映画は高峰秀子=息子の嫁を中心に作られているので、森繁久彌(このときまだ60代)はどうにもならない困った人という印象です。切ないなぁ。
それにしても「老人クラブ」ってどういうものだったんだろう。「養老院」はその後に行くもの?これがその後「老人ホーム」になって、今はいろんな施設に細分化されてるのかな。