イギリス映画、1978年。
これも当時、映画館で多分見たんじゃないかな。でも幸い、あまりよく覚えてない。
相変わらずのアガサ・クリスティ節、つまり、人間の行動から深く心理を読み込む手法で、見れば見るほど人間というものが嫌いになりそうになる。いい人に見えても本当は悪い人、悪い人に見える人はみんな悪い人。・・・
あまりにも深い、人間というものの理解に基づいているので、この人の小説の説得力は半端じゃないです。日本の作家でいえば向田邦子みたい。女性ならではの深さ。
今も変わらず傑作でした。
今ならマギー・スミスがやる役をベティ・デイヴィス。今ならシャーロット・ゲンズブールもやらないような初々しい役をジェーン・バーキン。オリビア・ハッセーは乗客の中では肩の肌色がすこし小麦色に見えて、この映画ではちょっとエキゾチックです。しかしミア・ファローに匹敵するエキセントリックな個性派女優って誰だろう・・・。