いやーこれは見応えがあった。
個人的には、2015年の邦画暫定ベスト1です。
宮部みゆきの作品は、復讐礼賛のようなものが垣間見えて、すごい作家だけどちょっとイヤだなと思ってたんだけど、これは集大成のように感じます(作家本人は、まだまだ!ってきっと思ってるだろうけど)。
原作の作りが非常にしっかりしていて、監督の覚悟も固いし、それにも増して主役の二人の眼差しが特別だ。
こまかーく見ていくと、たまに雑なかんじのする感情表現があったりするけど、この二人が映画の点数をかるく倍増させてる。
<以下一部ネタバレ>
柏木くんが実在したら、ひとに要求を突きつけ続けながら、結局最後は「死んでやる」のだ。意地悪をする相手が神原くんであろうと、他の誰かであろうと。もっとプロフェッショナルな大人な誰かが救い出すことができなければ。そこを、あくまでも、少年少女の小さい手で救えるかのように描くのは、けっこう危険だ。
松子の両親と樹里の和解、神原くんと大出くんの和解、の場面も、あれだけの熱量をみせた判決の後にしては嘘っぽいくらいステレオタイプだ。
・・・たとえば、そういうところが、少しだけ残念。
でも素晴らしい作品でした。こういう熱く迫ってくる映画を私は見たいのです。