映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・シングルトン 監督「シャフト」1238本目

このタイトル聞き覚えがあると思って録画したんだけど、よく調べてみたら、私が気になってたのは1971年に作られたオリジナルのほうだった。アイザック・ヘイズが音楽をやっていて、「ブラックスプロイテーション」の文脈で語られるのはそっち。しかし邦題が「黒いジャガー」って・・・。

ブラックスプロイテーションって何だっけ、とググると、どうやら黒人向け娯楽映画というような意味らしい。テーマ曲がヒットしたらしく、私は多分このサントラに関する文章を訳したときにこの映画のことを知ったんだった。

この「シャフト」がオリジナル版じゃなかったのは少し残念な気もするけど、おかげでいつか見たいと思ってた作品のことを思い出させた。2000年の時点での黒人音楽のや文化のことを、少し垣間見られたのもよかった。ちょうど数日前にスパイク・リーアカデミー賞の選考が白人だけで行われていることを批判したばかり。

でこの映画ですが、クリスチャン・ベイルの演じる男って悪いなぁ〜。この人こういう役を嬉々としてやるところが好き。サミュエル・L・ジャクソン が素晴らしいのはいつものことで、もはやロバート・デニーロだの役所広司だのといった世界なので特筆することなし。