映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

オロ・タヴィアーニ 監督「父 パードレ・パドローネ」1248本目

1977年のイタリア映画。
サルディーニャってどこだっけ?イタリアの長靴のつま先の先にある、わりと大きな島です。
言葉を聞いても、スペイン語・・・じゃないよね・・・って感じで、典型的なイタリアとはちょっと違う雰囲気。
ルパン三世のモデル?という赤いジャケットの男が狂言回し的に登場しますが、これが原作者らしい。
ストーリーは、学校に行かせてもらえず家の牧場の手伝いに明け暮れた少年が、その後努力して文字を獲得し、大学に行って研究者になるのですが、映画で主に描かれるのは小学校を辞めさせられてから、軍隊で勉強に目覚めるまで。

描き方がとても主観的でなんとなくユニークだし、父親像が強烈なのが印象的。「マイ・マザー」「MOTHER」などの母親像ほど毒はないけど、独善的な度合いはけっこう強い。そういう親を持ってしまった場合、子どもはどうやって乗り越えればいいのか?楽観的な気持ちをなくさずに時を待つ・・・ってところでしょうかね。。。