映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ダン・ギルロイ監督「ナイトクローラー」1250本目

あなたはジェイク・ギレンホールが嫌いにな〜る。 という呪いの映画。
一言でいえば。
「ミッション8ミニッツ」では、濃いしミリタリーっぽいけど熱くていい奴だと思ってたのに、この映画では徹頭徹尾、心のない血の冷たい、努力することより権力を持つこと、金で人をひれ伏させることを志向する極悪人です。いっしょに見た友人いわく「悪人の髪型」をしてます。(「ノーカントリー」のハビエル・バルデムと同型)

テレビで報道番組とバラエティ番組を見なくなって久しいので、金を釣り上げてこういう映像を売るやつも買うやつも見るやつも関係ないのですが、全部がムナクソ悪い世界ですねー。
利用されるだけの""従業員”もまったくひどい目にあいます。インド系かな?と思ったらパキスタン系ということでした。リズ・アーメット。この映画のなかで彼だけはただ必死に働いているだけでまっすぐな瞳をしていて、でも(あー、こういういい奴が損をする予感・・・)と思っていたら、やはり・・・。

主役ルイス・ブルームと彼が経営するビデオ・プロダクション・ニュース社は、このあとさらに派手な映像をいくつか放送して目覚ましい躍進を遂げたあとで、あの女性刑事の率いる覆面捜査チームに違法取材の尻尾をつかまれてあっけなく失脚・・・という転落が想像できるよね、と考えて、腹の中に残る不快感を鎮めることにします。