映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

新海誠 監督「秒速5センチメートル」1289本目

もともとアニメ映画は好きなほうだと思うけど、これなんかは、見ると自分のコドモくらいの年代の人たちの気持ちが少しわかるかな?とか期待しながら見てしまう。

主人公の男の子のまなざしと声が暗いな。表情とかは、男の子も女の子も、大人になってからも、コドモが描くマンガみたいにのっぺりと明るい。
一人の男の子に、女の子が二人?3人以上?

初恋の、ほの甘くほの苦いかんじを思い出すための短編なのかな。
素敵な女の子の複数の思い出があるのに、心が温まらず冷たいままなのだとしたら、君に足りないものはビタミンと太陽だ。物理的なものだ。
それから、山崎まさよしのこの曲は、あまりにも平面的なセンチメンタルを絵に描いた餅のような曲なので、これに映画の命運を預けてはいけない。奇跡なんてものに頼ってはいけない。

というふうに、うつろな目でこの映画を見ている小僧の肩に手をかけて力一杯ゆさぶりたくなる作品でした。