映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

岩井俊二 監督「花とアリス殺人事件」1293本目

DVDを流してたら、たくさん派手な予告編が流れて、静かになったなーと思ったらいつの間にか始まってた。
余計な音楽もなにもない映画。

アナフィラシキーの神ってw ムーっていう、私の学生の頃みたいな長いスカートの女の子が出てくるけど、最初だけ。花が登場してからは、完全にアリスと花の二人の世界が展開されて、ユダという名の、花の初恋の男の子も、いろどりでしかない。

アリスっていう名前にこだわるあたりが、女性から見るとちょっと”キモい”少女趣味を感じさせるんだけど、アリスがすごいワルだったり、花がひきこもりだったりと、キレイキレイだけじゃない少女たちの野生的な魅力をかなり描けているなぁと、同性の目からも思います。

殺人事件!なんていう割に、オチというほどのオチもなく終わる物語ですが、ちょっと懐かしく甘苦い青春の香り?が気持ちいい作品でした。