こういう映画って、重厚にゆっくりとした感じで作りそうだけど、この映画はすごく展開が早い。全体でわずか108分の中で裁判が始まり、裁判が進み・・・。ちょっと目を逸らしてると、どんどん話が進んでしまいます。なぜなら多分、これが実話だから。
絵が戻ってきたらハッピーエンドなのか?というとそうじゃなくて、やっぱりこんなの、補償としてはほんのちょっぴりの一部でしかない。家族や友人たちは何十年も前に奪われたままで戻ってこない、という事実が、逆に強く胸に来る。
しかし本当に、返還訴訟って始めたらきりがないだろうな。大英博物館はエジプトのミイラも、全世界に広がる旧大英帝国のお宝も、すべて元あったところに戻して回るべきなのでは?少なくとも、お金のためにミイラを売る所有者(略奪者でなく)なんていないだろうし。