映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ソフィア・コッポラ監督「ブリングリング」1363本目

面白いとか学べるとかじゃなくて、きらびやかで美しいものをたまに見ることは大切だから。
それがこの映画を見る意味です。
しかしこんなに高いものを身につけるのって、よほど自分に価値があると思えなければ気後れしてしまいそう。
実際、奔放で美しい女の子と男の子だから、はしゃいでいても美しい。
ケイティ・チャン演じるレベッカが特に強烈に自由で、ビッチ色が濃くていいです。
エマ・ワトソンは、ハリポタで優等生だったから、悪い子になりたかったんじゃない?優等生でも不良でも、率直なところが彼女の魅力だと思うけど。

実質80分くらいでさらっと見られる。この監督は、瞬間を輝かせることが大事だから、「犯人」の生い立ちとか環境なんかを語ろうとはしない(語りたがるのは犯人たち)。だから無駄なく、写真を選んで作ったアルバムみたいに小さい。

なんとなく、この子たちが本当に「悪い」っていう印象がないんだけど、この子たちの気持ちが一番よくわかるのが、強盗にあった人たち自身なんじゃないかって気もする。その後どうなったのかな。特に主犯のあの子。