映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

三木孝浩 監督「ホットロード」1372本目

独特の青い世界観のある作品だったなぁ。
原作がそうなのかな。
制服の長〜いスカート。家庭のことでグレる子たち。80年代の人気マンガが原作なんですって?自分の子どもくらいの世代の人たちの物語だと思って見てたけど、むしろ自分の世代の物語なのか。わたしが自分の親世代の恋愛映画をみて「なんてロマンチック!」って思うように、今高校生の人たちがむかしの高校生を見て何かノスタルジーを感じるのかな。

極端にセリフが少なくて、静止画的に見せる画面が多いので、映画が実際の長さより長く感じられる。
登場人物がみんな、辛い現実から目を背けて夢の中にいるような目つきをしてる。
そういうマンガなのかな。

能年玲奈は、イノセントな役である限り、明るかろうが暗かろうが、こじらせてようが素直だろうが、その役に入りきって映画の一部になれる人だ。マンガを見てみたら、彼女が演じた役は、映画よりもっと切なそうな辛そうな顔をした女の子だった。