映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

オリヴァー・ヒルシュビーゲル 監督「ヒトラー 最期の12日間」1387本目

ヒトラーは「ベルリン天使の詩」で感受性の強い男性を演じた、あのブルーノ・ガンツか。
永遠と一日」で人生の終わりを静かに迎えつつある老人を演じた、あのブルーノ・ガンツか。すごい演技力だなぁ!

しかし、この映画をいま(といっても2004年、12年も前)ドイツで作る意味って何なんだろう?
というのは、ちょっと狂っていて冷酷なヒトラーの、秘書や子どもたちに対する暖かさも、人間らしい逡巡も、この映画ではちゃんと拾い上げていて、私は心のどこかで、秘書トラウドルの純真さに共感してしまいそうになってる。どの戦争も、知らずに巻き込まれた人たちの群れで成立する。この映画では、彼女たちは責められるべきではないって言いたいのかな?

少し複雑な思いが残る映画でした。
ヒトラー 最期の12日間 [DVD]