映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

石井岳龍 監督「蜜のあわれ」1422本目

変な、おもしろい映画だ。
ポニョのアダルト版。
むかし、エロチシズムって究極的にはなんだっけ?と妄想した老文豪がいて、それを現代の映像作家がもっと妄想してみたのが、これ。赤子が金魚ダンスするときの音楽が、明るいのに夜の雰囲気で、ナイトクラブふうでもなく、クラシックにもジャズにも何にも似てないふしぎな音楽なんだな。何これ?

妄想というのは、適度でなく、何かのエクストリームへ向かって花開いたときが一番おもしろい。おかしい。
そんな妄想に、大杉漣二階堂ふみ永瀬正敏も、よく付き合っている。みんなで妄想に突っ走ってる。
という意味で、おもいのほかいい映画だったのかもしれない。
蜜のあわれ [ 二階堂ふみ ]