映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マノエル・デ・オリヴェイラ 監督「ブロンド少女は過激に美しく」1461本目

短っ!
同じ監督の「アブラハム渓谷」を見たことがあったんだけど、あれは3時間もあった。映画館でがっちり集中して見たのに、あんまり印象がなく。苦労して最後まで席についていたような記憶。
この映画も、わずか64分なのに、冒頭とか、冗長なんじゃないのと思う場面もあるのだが。

とはいえ、この映画は面白かったです。のんびりとしてるんだけど、感情の起伏や人間関係が重要なファクターだったりするところが、南米の映画のようでもある。(ラテン民族つながり?)
肝心のブロンド少女が、一目惚れするくらい本当に美少女で、主人公の男も、いかにもスマートなんだけどどこかお人好しらしくて、いいキャスティングです。少女の母も、少女の本質を知ってか知らずか、どこかすましています。

男は踏んだり蹴ったりの目にあって、列車で隣の席のおばちゃんに愚痴らずにいられない(なんかいいですね、田舎みたいで)んだけど、若いし優秀そうだし、いくらでも挽回できそうな印象なのでちっとも悲壮感は感じません。笑っていいのかな、どうかな、というくらいでした。