1955年の作品。まだ「戦後」っていう感じが残ってたんじゃないかな。
街道を歩いて江戸へ向かうさまざまな境遇や年齢の男女の、ロードムービー、とも言えそう。
めいめい、事情を抱えていることが明らかになっていきます。気ままな旅なんかじゃありません。
だんだん切なく悲しくなってくるのが、監督の特徴なのか?それともお侍さんっていう暴虐をふるう人たちのおかげで、市井の人たちが虐げられている様子を描きたかったのか。
タイトルから考えると、歌舞伎の「妖刀もの」(籠釣瓶とか)みたいに、最後は大悲劇だぞ!というところに持っていくために、人のいい市井の人々の存在を登場させたのかもしれません。面白いですよね、昔のこういう作品って、タイトルがネタバレで。
音楽はなぜか、高校のブラスバンド部みたいに元気いっぱい。
この映画は不思議と入り込めなくて、登場人物をひととおり把握するだけでもヤケに苦労してしまった。
いい映画なんだろうなと思いつつ、個人的にはあまりピンとこない作品でした。
(でも、60年前の街道の景色は眺めてるだけでいいもんでしたよ)
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