映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

シドニー・ポラック監督「愛と哀しみの果て」1490本目

前にも一度見てるのに、感想を書かなかったのでうっかりまたレンタルしてしまった。
1985年のアメリカ映画。
今から30年前と言っても、文化的にはそう変わっていないはずだけど、植民地での欧米人の描き方が昔っぽい。現地人と欧米人との間に厳密な一線が引かれていて、まだ超えていない。「ダンス・ウィズ・ウルブス」が1990年だから、ウルブス前とウルブス後で何か不可逆的に映画のフォーマットが変わったような気もします。

という意味で、ちょっと今となっては見辛い映画です。シドニー・ポラックフィルモグラフィーを見てると1967年に「インディアン狩り」(!)という映画を監督したりしてて、昔の時代の人だったのかも?しれません。

現代版の「風と共に去りぬ」を作りたかったのかなぁ。ごく最近の流れは「A Film About Coffee」みたいに、フェアトレードの農作物を、現地作業員と一緒に作っていくような感じなので、やっぱり違和感を感じてしまいました。1985年だからの、アカデミー賞、だったと思います。