映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アシフ・カパディア 監督「AMY エイミー」1510本目

悲しいな。辛いな。
才能ってなんなんだろう。簡単に「天才」って呼んでるものってなんなんだろう。
一見、どこにでもいるようなちょっと悪い女の子みたいなのに、彼女の中に何が入ってるんだろう。
人気ってイジメにも似てるな。
巨大に頭を盛り上げた、痩せて小柄な女の子。両親もまだ若い。デビューした頃はふっくらしてたのに、夫ブレイクが逮捕されてからはやつれて痛々しい。老成した心を持った少女の中から、老いた女が覗いて見えている。

才能を持って生まれても、フツウにいい子に育てられて、個性を伸ばせなかった人もいるのかな、とよく思う。そういう人たちは、でも、ドラッグやアルコールに負けずに長生きできるんじゃないかしら、とか。そういうシンプルなことではないのかな。

想像しても多分わからない。でもこの映画がやっと見られてよかった。

美空ひばりみたいに歌が上手いな、本当に。