映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

テリー・ジョーンズ監督「ミラクル・ニール!」1533本目

テリー・ジョーンズといえば、おせっかいでしつこいおばちゃんキャラを演じていたおじさんですね。
この映画の公開後に、重い認知症だとニュースで見ました。監督映画はこれが最後かなぁ。

モンティ・パイソンといっても、メンバーそれぞれ特徴がある、と思います。テリー・ギリアムは映画監督としても名高い人ですが「未来世紀ブラジル」だの「12モンキーズ」、「フィッシャー・キング」だのと、ディストピアを描くことが基本のようです。
と比較して、「ミラクル・ニール」はひたすら明るくおめでたい。教育的に良いかどうかは別として(下ネタ多いし)、子どもに見せても性格は歪まないだろうと思います。

でこの映画、サイモン・ペッグもワンコも可愛いし、怪しげな宇宙人たち(モンティ・パイソンのメンバーが声の出演)も楽しいけど、モンティ・パイソン的な毒々しいブラックユーモアは皆無。パイソン関係だということは、言われないと気付きません。そういう部分で、ほかの人も評点が低めなのかな。かといってホロリと来る系でもない。これも、機内で見るのにぴったりの安心のコメディ、かな。

65点、「7ファクターズ」だと楽ひとつ。

(注)7ファクタータグは以下の7つの指標で映画の特徴を客観的に表現しようとしたもの。 「美」美しさ、「黒」 腹黒さや悪徳、「苦」人生の辛さや哀しさ、 「楽」愉快・楽しい、「情」情感、温かさ、「新」表現、技術、アイデアの斬新さ、「謎」引き込む謎がある